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【satisfy】……日焼けした胸板。京子も認める「エエ男」は、意外にも謙虚で誠実⁉

satisfy(200x200).jpg
ワーズ・トーク ゲスト【satisfy】氏

InaoNitobe(200x200).jpg


コーディネイター: KCJ人事部 部長 新渡戸稲男 氏

◆◆◆


新渡戸稲男人事部長は、第三研修室の前扉の近くに立って、手元に開いたファイルから視線を上げて私たちを均等に見ながら、静かに言った。


「今日のワーズ・トークのゲストは、昨日の【encourage】の恋敵だ」


福沢由紀(ET)みどり組所属。準主役。口語英語コース選択者。「ええっ……!」


驚いたのは私だけではない。万三郎も杏児も、後列のチーム・スピアリアーズの三人のETからも一様に小さな驚きの声が漏れた。


「わがKCJは、社内恋愛自体を禁じているわけではないが、【deserve】(ディザーブ)くんが、あけすけに自分の恋愛関係を暴露したので、人事部としては事実関係を把握しておく必要がある。それぞれの職務に支障がなければよいのだがな」


一昨日のゲスト【deserve】の元カレが、昨日登場した【encourage】(インカレッジ)だ。【deserve】は、当時の【encourage】がハードボイルド小説のヒーローよろしく吐いたセリフを好意的に記憶しているという。それならば、二人は復縁することができるのでは? と私は思った。


登場した【encourage】は、不器用で、ちょっとイケてなくて、自分にすっかり自信を無くしているように見えた。それでも人を励ます使命を背負う彼の姿に、人の好さを感じた。私は【encourage】に、本来そうであるべきパワフルさを取り戻してもらいたいと思ったのだ。


「では【satisfy】ティスファイ)くん、入ってくれたまえ


新渡戸部長の呼び出しに応えて、扉が空きかける。立て付けの悪い扉は案の定、昨日の【encourage】の時と同様に途中で止まった。


【encourage】の場合はそれから扉が開かず、情けない登場になった。ところが【satisfy】と呼ばれた今日のワーズ社員は、もう片方の手を添えることもなく、そのまま片手に力を入れた。その、扉にかけられた片手だけがこちらから見えている。


扉は、ギシギシいいながら彼の力の前に屈した。すばらしい筋力だ。昨日同様、手伝ってあげようと立ち上がりかけていた私は、そのままの姿勢で口を開いて、思わず力の主を見つめた。


清潔感のあるデニムが、足の長さを一層強調している。第二ボタンまで開いた真っ白なシャツの下からのぞく、厚い胸板がまぶしい。一見、手入れ無用のワイルドな黒髪のショートヘアだが、顔のラインの精悍さを演出するのに一役買っている。その日焼けした顔の上でなお映える、存在感のある美しい眉。その眉の下で、優しさをたたえた瞳がキラキラと光を発していた。


「ようこそ、【satisfy】くん」


【satisfy】は、見たところ、私たちとそう変わらない年齢層だと思われる。しかし彼は、爽やかな笑顔を浮かべながら、謙虚に私たちに向かって頭を下げた。


satisfy-sb(50x50).jpg「【satisfy】です。お招き、ありがとうございます」


四葉京子(ET)チーム・スピアリアーズ所属。主要脇役。文語英語コース選択者。「いやー、ええオトコやん」


スピアリアーズのET四葉京子が思わず軽い感動を口に出したのを、その隣のET綾目小路奈留美がシーッとたしなめる。


綾目小路奈留美(ET)チーム・スピアリアーズ所属。主要脇役。ビジネス英語コース選択者。「京子さん、はしたないですわよ。お慎みなさい」


新渡戸稲男KCJ人事部長(兼「ワーズ・トーク」コーディネイター) 【satisfy】くん、どうぞ、壇上へ」


satisfy-sb(50x50).jpg「はい、失礼します」


スラリと背が高い【satisfy】は、部長に促されて教壇に上がり、教卓の傍らにこちらを向いて直立した。そつのない動き。決しておどおどすることなく、それでいて謙虚さがあふれている。どう見てもケチのつけようのない殊勝な彼の態度だった。


鼻先で「ふふん」と言ったのは、後ろに座っている、チーム・スピアリアーズのリーダー格ET、祖父谷義史だ。彼はきっと不愉快なのだ。自分よりナイスガイを認めなくないのだとありありとわかる。ところが【satisfy】は、その祖父谷に視線を投げて、こう言ったのだった。


satisfy-sb(50x50).jpg「ボス、僕はまだ若輩者です。どうかご指導お願いします」


決して挑戦的なもの言いではなく、相手に心から敬意を払っているのが、言われた祖父谷だけではなく、他のETにも感じられる挨拶だった。


祖父谷義史(ET)チーム・スピアリアーズ所属。主要脇役。口語英語コース選択者。「あ、ああ。もちろんだ」


声色から察するに、祖父谷は面食らっている様子だ。
私は【satisfy】の謙虚な対応に小気味よさを感じた。


福沢由紀(ET)みどり組所属。準主役。口語英語コース選択者。「なるほど、いい男ね」


小さく独り言をつぶやいて、私はKCJ社員名簿の【satisfy】のページを開いた。

※必要に応じてダウンロードしてください。フォーマットはjpgです。

【satisfy】WithoutNotes.jpg 


◆◆◆

satisfy-sb(50x50).jpg「部長のご指示ですので、簡単に自己紹介させていただきます。私の場合、親族で唯一、ティスファと、第一音節にアクセントがきます。担当する日本語訳は『満足させる』、『納得させる』です。


他動詞課に所属していますので、例えば『満足する』『納得する』といったように、自動詞的に訳出する場合は、受身形にするか、目的語にoneselfを置くようにしてください。



ちなみに過去形・過去分詞は、最後の"y"を"i"に変えてから、"ed"をつけてください。現在分詞は、シンプルに"y"のまま、"ing"をつけてもらえればOKです。



基本の構文は、『~に満足する』の場合は、"be satisfied with ~"、『~に納得する』の場合は、"be satisfied of ~"を覚えておいていただけるといいと思います。


私の社員名簿にも書いてあると思いますが、家族に、名詞部の【satisfaction】サティスファクシャン(満足)、形容詞部の【satisfactory】
サティスファクトリー(満足な、満足できる/納得できる)というビッグワーズがいます。私と違って、『ファ』のところにアクセントがあります。何かの機会に会われることがあると思いますが、私ともどもよろしくお願いします。



あ、それから、たとえ日本語訳が『満足して
いるという場合でも、私の用法では、進行形になりません。私は会社に進行形にならない申請を出して認められていますので、お心得おきください」


私はピンときた。


手元にある【satisfy】の社員情報に、「進行形拒否連盟所属」とある。この組織はたしか、【deserve】の社員情報にも記載があった。調べてみる。あった、やっぱり。


タイミングよく、何か質問がありますかと、自己紹介を終えた【satisfy】が質疑応答モードに移ったので、私は思い切って彼に訊くことにした。もちろん部長もそのあたりのことを知っておきたいと思っているはずだ。


福沢由紀(ET)みどり組所属。準主役。口語英語コース選択者。進行形拒否連盟に所属しているワーズ社員って、例えばどんな人たちがいるのかしら」


【satisfy】は視線を右上に向けて答え始める。


satisfy-sb(50x50).jpg「えーっと……超有名どころでは、have, live, know, think believe, understand... いわゆる『思う・考える』系を中心としたワーズの方々ですね。

それから、『五感』系のワーズ。see(見える/目に映る/理解する), hear(聞こえる), taste(味がする), smell(においがする), feel(感触がある) など受動的な意味の場合。※能動的な意味の場合、look at(見る), listen to(聞く), taste(味見をする),smell(においを嗅ぐ), feel(感じる)は、進行形も可能。

ちょっと難しいのでは、contain カンイン(含んでいる)、consist カンスィスト(構成している)、resemble ウリンブォ(似ている)とか。

あ、そうそう。『愛してる』系のワーズも皆、基本的に進行形にはしません。”I want you, I need you, I love you.” ……のみなさんですね。needも、wantも、loveも、likeも、全員、進行形拒否連盟の会員です」


すかさず私は言ってやった。


福沢由紀(ET)みどり組所属。準主役。口語英語コース選択者。「愛してる系といえば、【deserve】さんなんかも会員?」


【satisfy】の表情が一瞬、凍りついた。数秒の沈黙の後、彼が冷静を装って静かに訊いてくる。


satisfy-sb(50x50).jpg「……ここの皆さん、ご存じなんですか」


私は彼を見返したまま、小さく頷く。【satisfy】はため息をつくと、抑揚のない口調になって、新渡戸部長に向き直った。


satisfy-sb(50x50).jpg「彼女とはこの会の親睦会で親しくなりました。何かまずかったですか」


新渡戸部長が首を振る。


「いや、特に問題は……」


しかし、私は食い下がった。昨日会った【encourage】はたしかに不甲斐なかったが、応援したい気持ちになっていたからだ。【encourage】は悪いワーズではなかったが、かといって目の前の恋敵【satisfy】の方が分かりやすい悪党というわけでもない。そこで私の舌鋒は鈍りかけたのだが、見かけを率直に評しても、【satisfy】に軍配が上がりそうなだけに、判官びいきで私は【encourage】の肩を持ちたかった。


福沢由紀(ET)みどり組所属。準主役。口語英語コース選択者。【deserve】さんって、【encourage】の彼女だって、知ってた?」


はじめて【satisfy】の眉根が寄せられた。私のスタンスを理解したと同時に、他のETも自分を非難しているのだと感じたのかもしれない。


satisfy-sb(50x50).jpg「彼女によると、僕と付き合い始めたのは、【encourage】と別れた後だということでした。ただ、僕としては【deserve】さんを奪い取るような真似はしていないということを【encourage】納得させたかったので、【deserve】さん抜きで、【encourage】と喫茶店で話し合いをしました。


私は驚愕した。こんなに面倒くさいことになっているなんて! とりあえず口をさしはさまず、黙って【satisfy】を見つめ、あなたの話を聴いているよ(英語では、"I'm all ears."という)、と彼を目で促した。


satisfy-sb(50x50).jpg「最初は冷静に話をしていたのですが、らちがあきませんでした。それで、『これは彼女による選択だ、彼女は僕に満足してくれている』と僕が言ったら、【encourage】のやつ、急にキレて……」


【satisfy】は、教壇の向こうの隅に角ばった木の椅子が一つあるのを見つけ、コツコツと歩み寄ってその椅子の一本の脚を片手でつかむや、目の高さに振り上げた。


satisfy-sb(50x50).jpg「立ち上がって、こう、椅子を手に持って構えて、僕にこう言いました。『 If I wasn’t hard, I wouldn’t be alive. 俺はタフでなければ、生きられないんだ。どっちが彼女を満足させることができるのか、決めようじゃないか。さあ、かかって来い! さあ!』と」


二、三秒の沈黙の時間が流れた。【satisfy】はあえてこの後の説明をしようとしない。そうすることで明らかに効果的に、彼へ同情的な印象付けがなされている気がしたのは私だけか。しばらくして、新渡戸部長が静寂を破った。


「うーむ。椅子を持って、か。それが事実なら、それは問題行動だ。会社としては、調査しなければならない」


satisfy-sb(50x50).jpg「それが、暴力的になる寸前、たまたま同じ店の近くに座っていた【reflect】リフレクトが気づいて止めに入ってくれました」


「【reflect】……。では彼は、ことの一部始終を見ていたのか」


satisfy-sb(50x50).jpg「いいえ、おそらく【encourage】が立ち上がったあたりからしか見ていないのではないでしょうか」


いずれにしても不穏な関係だ。【satisfy】と【encourage】が一緒に仕事する機会があれば、業務遂行にかなり支障をきたすのではないかと私は危惧した。


その時、私が嫌悪する、つけまつげのお化け、ET四葉京子が唐突に口を開いた。


四葉京子(ET)チーム・スピアリアーズ所属。主要脇役。文語英語コース選択者。さあ!って、椅子ファイト……サアッティスファイッ……サティスファイ!……ってか?」


いま思いついたのだろう、京子は得意げにこじつけを披露したが、話の流れから外れすぎていて、誰も反応しなかった。


まるで空気が読めていない。これだからバタフライまつ毛女は困ったものだ。京子が属するチーム・スピアリアーズの連中には、ETとして絶対に負けたくないと私は改めて思った。


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<リンク>
→「感情を表す動詞の受身形連合会」略称「感受連」
→「満たす同好会」
→「進行形拒否連盟」
→「fy(ファイ)の人々」
→「”y"を"i"に変えて"ed"つける会」・「”y"を"i"に変えて"es"をつける会」合同サークル


<ET福沢由紀の書き込み社員名簿>
【satisfy】WithNotes.jpg 

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【encourage】……ひそかに生え際を気にする演歌歌手が人々にエールを贈る

encourage(200x200).jpg 
【encourage】(インカーレッジ)勇気づける



InaoNitobe(200x200).jpg 
コーディネイター: KCJ人事部 部長 新渡戸稲男 氏


◆◆◆



ポータブルCDデッキをコンセントに繋いでおいて、新渡戸部長はここ、第三研修室の入り口引き扉を軽くノックする。向こうからノックが返ってきた。部長は軽く頷くと俺たち6人のETに向かって口を開いた。


新渡戸稲男KCJ人事部長(兼「ワーズ・トーク」コーディネイター) 「それでは今日のワーズ・トークのゲストに入室してもらおう」


部長はポータブルCDデッキのスイッチを押した。 3秒ののち、デッキのスピーカーから結構大きな音量で前奏が流れ始める。演歌だ。すると前の引き扉の小さな擦り硝子窓に人の影がよぎった。影は静止する。


スイッチを押したら次に何をするよう頼まれていたか確認しているのだろうか、ファイルを開いて書類を覗き込んでいる新渡戸部長。その部長以外の室内の皆の意識が、研修室入口の引き扉に注がれる。 前奏が流れる中、扉がガタリと音を立てて3センチメートルほどスライドした。そこに生まれた隙間から、右手が逆手に扉にかけられる。それからが長かった。力を入れて扉を開けようとする手は、そのまま手間取っている。扉は動かない。立て付けが悪いのだ。毎日来ている俺たちETは、そのことをもうよく知っているし、開けかたのコツも皆が習得していた。


顔こそ見えないが、手の主は明らかにパニックになっている。 扉の縁にかけた手を、そのまま上の方にずらしてみたり、下の方にずらしてみたり。 演歌の前奏は予想しやすい。おそらくあと4小節で唄い出しに至るだろう。 新渡戸部長は書類を読むのに集中しているようで、トラブルに気づいていない。


――歌うんだな、歌いたいんだな……。


俺がそう思った時、ユキが席を立って扉に駆け寄り、比較的スムーズに開けることができるポイントに手をかけて、扉を全開にしてやった。 唄い出しまであと2小節というところで、ようやく男が入室を果たす。 舞台衣装なのか、青いスーツに赤い蝶ネクタイをつけている。 年のころ三十にも満たない、若い、清潔感のある優男(やさおとこ)だ。


前のめりに研修室内になだれ込んだ男は、教壇上に至って体勢を立て直し、背筋を伸ばして手にしたマイクを口に近づけた。


――よかった、ギリギリ間に合った……。


福沢由紀(ET)みどり組所属。準主役。口語英語コース選択者。 「あっ!」


その時、音楽がブチッと途切れた。 扉を閉め終えたユキが戻る時に、ラジカセの電源コードに足を引っかけたのだった。


研修室内を静寂が包み込む。


俺たちETとの出会いは、ワーズ社員【encourage】(インカーレッジ)を、【discourage】(ディスカーレッジ)落胆させるものだった。


【encourage】WithoutNotes.jpg


俺は社員名簿の【encourage】のページから目を上げる。彼の情報に何か所か書き込んだが、基本的には、ここに書いてある通りだった。【encourage】は「これは、ここで初めて言うんですけど……
」と告白を始めようとしたのだった。


encourage-sb(50x50).jpg 「僕の目下の悩みは、ここ、髪の生え際が後退していっているところ。ヘアスタイリストに聞いたら【encourage】さん、お気の毒ですが、必ず『はげます』と言われて、凹みました」

「演歌」で人を元気づけるのが使命だとさっき言ったばっかりの【encourage】が、そんな「はげまし」ようのない悩みを披露する。 杏児ががっかりした様子で、ため息の後で俺に言った。


三浦杏児(ET)みどり組所属。準主役。文語英語コース選択者。 「全然、ハードボイルドじゃあ、ない……」


【deserve】の元カレだということは、もう別れたということだ。 この分ではきっと、【encourage】の方がフラれたのではないだろうか。 俺はあえて訊いてみた。


中浜万三郎(ET)みどり組所属。主人公。ビジネス英語コース選択者。 「【deserve】(ディザーヴ)さんとはどうなの?」


とたんに【encourage】はどぎまぎし始めた。 黒目が左右目まぐるしく動く。分かりやすい男だ。


encourage-sb(50x50).jpg 「いや、彼女とはもう終わって……」


福沢由紀(ET)みどり組所属。準主役。口語英語コース選択者。 「ハードボイルド小説とか、二人とも好きだったんでしょ?」


【encourage】は、ハッとしてユキを見つめ、次に隣りの杏児、そして俺へと順に視線を移してからつぶやいた。


encourage-sb(50x50).jpg 「彼女から、話、聞いているんだ……」


福沢由紀(ET)みどり組所属。準主役。口語英語コース選択者。 「『お前は優しくされるに値する女だ』って言うほど好きなんでしょ?」


encourage-sb(50x50).jpg 「そんなことまで……いや、僕の方に優しくする資格がない。僕はそんなに強くないんだ」


【encourage】は顔を赤くしてうつむいた。 見ていられない光景だ。 杏児もたまりかねて【encourage】を励ます。


三浦杏児(ET)みどり組所属。準主役。文語英語コース選択者。 「接頭辞"en-"がついて、積極的な働きかけをするのが君の本分だろう? 勇気もって、もう一度【deserve】さんにアタックしてみれば?」


encourage-sb(50x50).jpg 「いや……彼女はもう……【satisfy】(サティスファイ)と付き合ってるって聞いてる……」


福沢由紀(ET)みどり組所属。準主役。口語英語コース選択者。 「何よ、【satisfy】が何だってのよ! 負けずに頑張りなさいよ!」


自身が負けず嫌いのユキは、不甲斐ない【encourage】の答えに飽き足らない様子。しかし、依然として彼のハートに火はつかないようだ。


encourage-sb(50x50).jpg 「いや……僕はもう、そんなはげましには、反応しなくなって……」


彼はそう言って、七三に分けた髪の生え際をしきりに撫でた。


――ダメだ、こりゃ。


俺が思わず目をそらした時、杏児が話題を変えた。


三浦杏児(ET)みどり組所属。準主役。文語英語コース選択者。 「ご家族のことだけど、【encouragement】(インカレッジメント)さんとか【encouraging】(インカレッジング)さんとかはわかるんだけど、【courage】(カゥレッジ)さんや【courageous】(カゥレイジャス)さんも一緒に?」


encourage-sb(50x50).jpg 「ああ、叔父と叔母です。【courage】ゆうき叔父さん)と、【courageous】ゆうか(ん)叔母さん)が同居しているんです」


三浦杏児(ET)みどり組所属。準主役。文語英語コース選択者。 「へえ、そうなの……」


質問に答えてはくれるものの、【encourage】はすっかりしょぼくれている。だいたい、登場からしてケチがついた上に、元カノに振られた話まで聞きだされるのだから、ある意味かわいそうにも思えた。だからといって、いまさら皆で寄ってたかって彼を励ますのも、一層彼を惨めにする。早くここから解放してあげた方が良いのかもしれない。


中浜万三郎(ET)みどり組所属。主人公。ビジネス英語コース選択者。 「あと、何か言いたいことある?」


encourage-sb(50x50).jpg "encourage 人 to do ~"(人に~することを勧める)の形と、"I'm encouraged to hear that."(それを聞いて元気が出ました)の決まり文句は、ぜひ覚えておいて欲しいな。最初の方では、"encourage 人 doing"という形はないから、シートレ編成の時は注意してね」


俺たちは頷いた。


マイクを内ポケットにしまった【encourage】は、両手でこぶしをつくって俺たちに訴えかけた。


encourage-sb(50x50).jpg 「皆さん! エグゼキュティヴを目指すんですよね。応援しています。がんばってくださいね!」


――あんたがもっと頑張れよ……。


心の中でそう突っ込んだのは俺だけではないはずだ。


※シートレ編成……小説「ことだまカンパニー」の中では、英単語を連結して英文を作ることを「列車」の編成になぞらえ、列車を「シークウェンス・トレイン」、略してシートレと呼ぶ設定となっている。シートレの編成はETの重要な研修科目。


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 小説「ことだまカンパニー」 ←わがKCJとETたちをめぐるストーリーです。
小説「ことだまカンパニー」表紙 

ブログ "Imagination Is Creation" ―今神栗八の英語雑感― ←秘書室長、今神栗八のプライベートブログです。

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<ET中浜万三郎の書き込み社員名簿>

【encourage】WithNotes.jpg 



【deserve】……ふさふさの髪をカチューシャで抑え込む女

 【deserve】……ふさふさの髪をカチューシャで抑え込む女
【deserve】(ディーヴ)価値ある値する



InaoNitobe(200x200).jpg
 
コーディネイター: KCJ人事部 部長 新渡戸稲男 氏

◆◆◆

赤いVネックシャツの若い女性を教壇上に誘導しておいて、新渡戸部長は6人のETにKCJ社員名簿の指定されたページを開くように指示する。 


新渡戸稲男KCJ人事部長(兼「ワーズ・トーク」コーディネイター) 「今日のワーズ・トークのゲストは【deserve】くんだ」 


こういう場に呼び出される経験はあまりないのだろう、顔をこわばらせて皆の視線に耐えている。無理もない。俺たちETは全員、彼女の上司なのだから。


俺たちは社員名簿の記載事項にざっと目を通す。

【deserve】WithoutMemos.jpg

新渡戸稲男KCJ人事部長(兼「ワーズ・トーク」コーディネイター)  「それでは【deserve】くん、お願いしておいたように、簡単に自己紹介してもらえるかな」 


新渡戸部長の声を恐れていたかのように彼女は一瞬、びくりと体をこわばらせたが、それでも健気に顔を上げてわずかにほほ笑んだ。 


【deserve】……ふさふさの髪をカチューシャで抑え込む女「ETの皆さん、はじめまして。動詞部他動詞課の【deserve】です。『ディーブ』と読んでください。『ザ』のところにアクセントがあります。担当する意味は、『の価値がある』『~に値する』『~にふさわしい』 です。

 私は、"e"で終わっているので、過去形・過去分詞の時に取り付けるのは、"d"だけです。つまり"deserved"になります。現在分詞では、"e"を落として、"ing"を取り付けます(deserving)。 


好きなものは、【medal】(メダォ)、嫌いなものは、進行形です。 日本語でも、『価値ある』を進行形にして、『価値あっている』という言い方がどうしてもしっくりしないので、悩んだのですが、『進行形を取りたくない動詞』申請書を会社に提出して認められました。私、進行形拒否連盟に加盟していまして、進行形は取りませんので、シートレ編成のときは、そのつもりでお願いします。進行形ではなくて、動名詞や現在分詞の形容詞的用法の場合は、ingがついても問題ありません。 


好きな、【medal】については、【deserve】、【a】、【medal】、【for】の4人が仲良しですね。 "deserve a medal for~"と、4人セットで、『困難に耐えて~を成し遂げて、立派だよね~』の担当をしています。 


私は、サーヴ(serve)一族の娘です。 サーヴ一族はご存じの通り、動詞部【serve】(サーブ)大伯父さんを家長とする親族グループで、親戚には、【reserve】(リザーヴ)、【conserve】(コンサーヴ)、【preserve】(プリザーヴ)、【observe】(オブザーヴ)などがいます。 私も、サーヴ一族に共通する家訓『保つ!』を大切に思っています。 


事前に練習していたのだろう、【deserve】さんは、自分の特徴を過不足なく一通り説明し終えた。


【deserve】……ふさふさの髪をカチューシャで抑え込む女 「とりあえず、こんなところです。何か質問があれば……」 


質問の口火を切ったのはユキだ。


福沢由紀(ET)みどり組所属。準主役。口語英語コース選択者。 「【deserve】さん、カチューシャかわいいですね。いつもカチューシャを?」

 
【deserve】……ふさふさの髪をカチューシャで抑え込む女 ありがとうございます。『ふさわしい』だけに、髪の毛がふさふさしているでしょう? それで、カチューシャで抑えています。カチューシャある→カチュある→価値ある、です。 


それを聞いて、思わず四葉京子が突っ込みを入れる。


四葉京子(ET)チーム・スピアリアーズ所属。主要脇役。文語英語コース選択者。  「へえー、そんなルールなんやったら、『値する』って意味もあるだけに、ひょっとして自分のこと、『あたい』って言う?」 


京子は冗談で突っ込んだのだったが、【deserve】から思いがけない答えが返ってきた。


【deserve】……ふさふさの髪をカチューシャで抑え込む女 「一時期、ハードボイルドにはまっていた時は、確かに『あたい』って呼んでましたね」 


これは果たしてネタなのか? およそ彼女のイメージに似つかわしくない単語が聞かれたので、京子の代わりに杏児が思わずつぶやく。


三浦杏児(ET)みどり組所属。準主役。文語英語コース選択者。 「ハードボイルド……」


【deserve】……ふさふさの髪をカチューシャで抑え込む女 「ええ。ちなみに、男の人に言われて嬉しい言葉は、
"If I wasn’t hard, I wouldn’t be alive. 
If I couldn’t ever be gentle, I wouldn’t deserve to be alive."
(タフでなければ生きて行けない。優しくなれなければ生きている資格がない) 
です」 


新渡戸稲男KCJ人事部長(兼「ワーズ・トーク」コーディネイター) 「ほう、フィリップ・マーロウか」 


綾目小路奈留美(ET)チーム・スピアリアーズ所属。主要脇役。ビジネス英語コース選択者。 「部長、どなたでいらっしゃいますの?」 


新渡戸稲男KCJ人事部長(兼「ワーズ・トーク」コーディネイター) 「知らんか? 米国のハードボイルド作家、レイモンド・チャンドラー(Raymond Chandler)の『プレイバック』という作品中で、架空の名探偵フィリップ・マーロウが、彼に思いを寄せる女性に答えた有名なセリフだ。【deserve】、キミが言われたの?」 


さすがに俺は最初、「部長、そんなことにまで答えないといけないんですか」と、彼女は嫌がると思った。しかし予想に反して彼女は、少し顔を赤らめながら、頷いたのだ。 


【deserve】……ふさふさの髪をカチューシャで抑え込む女 「ええ、元カレ【encourage】(インカーリッジ)に、言われました。私は、優しくされるに値する女だって」 


祖父谷義史(ET)チーム・スピアリアーズ所属。主要脇役。口語英語コース選択者。 「う、ゴホン……」

俺の後ろで、祖父谷が咳払いをした。奴が咳をしなかったら、俺が代わりにしていたかもしれない。【deserve】ののろけ話に、皆が反応をためらった。なんだあ、この話……? 


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<リンク>
→「進行形拒否連盟」 
→ サーヴ【serve】一族 
→「目的語に不定詞と動名詞の両方をとる動詞」連絡会 
→「分詞と合体するとき、"d"をつけ、"e"を落とす女」サークル


<ET中浜万三郎の書き込み社員名簿>


【deserve】WithMemos.jpg  



Lesson01-01 be動詞(1) 「西園寺BE子」と称する七重人格ビッグワード「be動詞」とその仲間たち(1)



1.イントロダクション


KCJ(ことだまカンパニー・ジャパン)役員の皆様、ごきげんさんでございます。 KCJ秘書室長の今神栗八です。


古都田誠社長から指示を受けて、目下英語研修受講中の幹部候補生(Executive Trainee、略してET)たちの英語学習の内容と、彼らが取ったノートの内容(研修室天井のカメラで撮影!)を、このブログサイト「今日のET」上でレポートしています。ただ、今回は、プロローグですので、ノートの掲載はありません。


6人のETは、ほうぶん先生によるオリエンテーションをようやく終え、今日から本格的に、将来の部下になるワーズ社員たちの職務を学んでいきます。


今週は動詞部から、"be動詞"を研修に招いて、ETたちに直接講義してもらいました。
わが社における超大物ワーズ社員である"be動詞"は、役員の皆様ご存知のように、七重人格者であります。相手によって人格が変わるのです。そのメイン人格である長姉 【be】 は、なぜか最近、自らを「西園寺be子」と称しています。


このアクの強い【be子】の人格を、我らが期待の星、ETたちは果たして十分に理解できるのでしょうか、興味が尽きないところであります。それではさっそく、Lesson01の様子をレポートしていきます。


【概要説明】ことだまカンパニー・プロジェクトって何? ←上の文章、何言っているのか意味が分からない。何だ、このブログ? と思われた方はこちらをご覧ください。
【概要説明】当ブログ「今日のET」構成について ←このブログはどんなつくりになっているの? と思われた方はこちらをご覧ください。



2.要約ノート


Lesson01-01 be動詞(1)

※今回は、要約ノートの掲載はありません。代わりに、今日のゲストが、自作の名刺をET全員に(ちょっと得意気に)配布したので、ここに掲載します。

西園寺be子名刺(537x324-300dpi).jpg


3.エピソード


Lesson01-01 be動詞(1)
講師: KCJワーズ社員 動詞部be動詞課課長 "be" (自称:西園寺be子)氏

Be-koSaionji(150x150).jpg

<プロローグ>

カッ、カッ、カッ・・・・・・。
KCJの第3研修室の古めかしい木製の講壇(ステージ)に、ひときわ高い靴音が響いた。


【西園寺be子(さいおんじ ビーこ)】の、ヒール高12cmはある真っ赤なエナメルのハイヒールが、躊躇のないリズムを刻みつつ、スレンダーな肢体を講演台へ運んだ。学習の場にふさわしくない種類の香水の成分が、移動した彼女の周囲5メートルをたちまち支配した。


真っ赤なワンピースにロングのワンレン。齢(よわい)30には届いていないであろうその女性は、バタフライサングラスをゆっくり外して講演台に置くと、これ見よがしに片手で髪を掻き上げ、頭を大きく振った。サラサラの髪が投網のように周囲の空気を捕らえ、そしてこぼれていった。香りの成分はたちまち、7メートルにまで、その支配領域を広げた。


目の前に座っているオレたち一人一人の顔をけだるそうな眼差しでぐるりと見回した彼女は、視線を止めた先、入口の際に立つ新渡戸稲男(にとべ いなお)人事部長が「始めてください」と頷くのを確認して、おもむろに口を開いた。


「えーオホン……、あたしの名前は【西園寺be子】。ここKCJでもっとも忙しいワーズ社員の一人よ。今月もとっても忙しいんだけど、部長命令で今月のメイン講師としてここへ来たわ。よろしく」


【be子】はそう言ったものの、1mmも頭を下げず、むしろ少し顎を上げて、オレたちを見下ろした。一瞬の無音が、そう大きくない研修室全体に充満した。


ただでさえ長身の彼女の体が、無音の中ではいっそう大きく膨張するように思われ、その存在感に圧倒されそうだとオレは思った。そして、その静寂にいよいよいたたまれなくなりかけたそのとき、再び【be子】が口を開いた。


「よ、ろ、し、く」


制圧したエリア内での一切の抵抗を許さじと、火炎放射器でくまなく焼き尽くすような視線の直撃を避けるべく、オレや他のETは皆、視線を伏せて会釈を返した。


「よろしくお願いします」


皆が自分に従順な姿勢を示したと感じた【be子】は、表情が変わった。
明らかに上機嫌になった。


「あななたちETは、いずれあたしたちワーズを使いこなす、上司になるわけだから、新渡戸部長からもう聞いていると思うけれど、ワーズというのは英単語を擬人化した『ことだま』のことなの」
そういうと【be子】は、片手で髪を耳まで掻き上げた状態で横を向いて見せた。


「ほら、この、ほっぺたに浮かんでいる文字がその証拠よ。ワーズは皆、ここに文字が浮かんでいるの。あたしの場合は、【be】。つまり、あたしは【be動詞】のことだまということ」


掻き上げた手をそのまま下ろせばいいのに、【be子】は無駄に頭を振って、シャンプーのコマーシャルのように髪に勢いよく空気を孕ませた。


「新渡戸部長によると今月は、あたしを中心として、あたしと親しいワーズ社員たちをあなたたちに引き合わせていくそうね。あななたちは、みんなのことをよく知って、正しくワーズたちを使わなくちゃいけないわ。ただ、あなたたち1年生ETに、果たしてあたしの全てを理解できるかしら。あたしは、一筋縄でいかなくてよ」

(つづく)




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5.今神雑話




今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
次回もおたのしみに。
それでは皆さん、ごきげんさんよう。

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Lesson00-10 文法学習の意義とゴールについて(10)



1.イントロダクション


KCJ(ことだまカンパニー・ジャパン)役員の皆様、ごきげんさんでございます。 KCJ秘書室長の今神栗八です。


古都田誠社長から指示を受けて、目下、英語研修受講中の幹部候補生(Executive Trainee、略してET)たちの英語学習の内容と、彼らの取ったノートの内容(研修室天井のカメラで撮影)を、このブログサイト「今日のET」上でレポートしていきます。


9回にわたって、倉間法文先生のオリエンテーションをレポートしてまいりました。
聴講していたETの諸氏も、英文法学習の必要性と、KCJにおける「英語ができる」レベルとか、「英語をマスターする」レベルの定義を理解してくれたものと考えます。


今回はそのまとめになります。
要約ノートは、前回お粗末なノートを取ったETの一人、三浦くんに汚名挽回のチャンスを与えました。
じょうずにまとめられているでしょうか。


それではさっそく、今日のレポートにまいりましょう。


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【概要説明】当ブログ「今日のET」構成について ←このブログはどんなつくりになっているの? と思われた方はこちらをご覧ください。



2.要約ノート


Lesson00-10 文法学習の意義とゴールについて(10)
要約ノート: ET三浦杏児 氏


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■要約ノートは、必要に応じてダウンロード・印刷してご利用ください。フォーマットはJPGです。

00-10ノート:三浦杏児.jpg


<Webテキスト版: Lesson00 要点まとめ>
1. KCJでは、「英語が話せる」=英検準1級レベル、「英語をマスターする」=英検1級レベルと定義する。
2. ET英語研修では、英検4級・3級レベルから、1年で「英語が話せる」=英検準1級レベルを目指す。
3. (特に初級から中級は)努力せず楽に英語を習得できる方法はない。
4. 英語を効率よく習得していく方法と、楽しく習得していく方法はある。
5. 英語学習の初級から中級において、努力せず、楽に英語を習得できる方法など、ない。
6. 英文法は万能ではないが、初級・中級者の学習効率を高める。英語学習の害にはならない。



3.エピソード


Lesson00-10 文法学習の意義とゴールについて(10)
講師: KCJ人事部 能力開発課課長兼文法課長 倉間過去完了法文 氏


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ほうぶん先生は、黒板消しを黒板のチョーク受けに置くと、
教卓の両角を両手でつかむように持って、少し前傾姿勢をとって皆を見回した。


「各々方、天下はめまぐるしく動いてござるよ。
文明の進化は、人類の社会生活の多様化をもたらす。
社会生活の多様化は、必然的にそのツールである言語でも起こる。
言語は、その使い手の多様性を反映して多様化するものだ。


方言しかり、職業特有の言葉しかり、流行語しかり、誤用の一般化しかり。
そういう意味で、言語はまさしく生きものであり、脈動し、一概に括ることのできぬ存在であるのだ。そして、英語という言語もそのひとつなのでござる。


一概に括ることのできぬ存在というのは、一つのルールを全てに適用することができないということでござる。すなわち、例外がたくさん生まれるということだ。
例外は、英語という生きものが持つ歴史の帰結でござる。


先ほど拙者が言ったように、英文法は決して完璧でも万能でもないが、『ある文法事項については、おおざっぱに、こうである』ということは言える。
そして、そのルールでおそらく全体の8~9割は通用すると思う。
そして、あとの1~2割の例外の中にも、ルールが存在することが多い。
例外の中の8~9割が、そのルールで通用する。
そうすると、そこからも漏れた例外中の例外というのは、おそらくほんのいくつかだから、それらは個別に覚えれば良い。


最後に、各々方ETにとっての文法は、シートレの機能と編成についてのルールだが、それに乗車するワーズ社員たちについても理解を深めてもらわなければならない。


この第3研修室で行われる研修では、ゲスト講師を呼ぶことも多い。
その多くは、各々方の部下であるワーズ社員たちだ。
彼らにはそれぞれ個性がある。名前だけではなく、その特性があるのだ。
彼らが身に付けているもの、性格、好みの傾向、交友関係――これは好きも嫌いもあるだろう。そうした属性情報を知った上で、これらのワーズ社員を適切に扱えるようになってほしい。


では、レッスン00、オリエンテーションは、ここまでといたそう」


(おわり)




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5.今神雑話



幹部役員の皆さま、いかがでしたか?
いきなり最初から10回にわたって「総論」をレポートしましたので、「早く本題に入れ」とお叱りを受けるかと恐れていました。黙ってついてきていただき、ありがとうございます。
We appreciate your patience.


さて、次回からはいよいよ単元学習に入ります。
ほうぶん先生は、いきなり超ビッグなワード社員に特別講師を依頼しているようです。
楽しみですね。


英語嫌いのETたちが、意を決して学習を始めるのも、カレンダー上、良いタイミングです。
これからもETたちをしっかり見守ってくださいますよう、お付き合いよろしくお願いいたします。
"Now we'll turn over a new leaf. Let get the balls rolling, shall we?"



今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
次回もおたのしみに。
それでは皆さん、ごきげんさんよう。

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Lesson00-09 文法学習の意義とゴールについて(9)



1.イントロダクション


KCJ(ことだまカンパニー・ジャパン)役員の皆様、ごきげんさんでございます。 KCJ秘書室長の今神栗八です。


古都田誠社長から指示を受けて、目下、英語研修受講中の幹部候補生(Executive Trainee、略してET)たちの英語学習の内容と、彼らの取ったノートの内容(研修室天井のカメラで撮影)を、このブログサイト「今日のET」上でレポートしていきます。ただ、今回は、ノートの掲載はありません。


それではさっそく、今日のレポートにまいりましょう。


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2.要約ノート


Lesson00-09 文法学習の意義とゴールについて(9)

※今回は、要約ノートの掲載はありません。



3.エピソード


Lesson00-09 文法学習の意義とゴールについて(9)
講師: KCJ人事部 能力開発課課長兼文法課長 倉間過去完了法文 氏

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「英文法をマスターしさえすれば、どんな英語も理解でき、しゃべることができるようになるのか? 答えはNoでござる。まず、語彙を知らなければ文法は役に立たない。


『祖父谷義史どのは職場でいちばん社交的である』 ということを英語で言うとする。
『比較』のところで習う『最上級』を使う、そしてその形は、”the 形容詞+est / the most 形容詞in 範囲”であると、文法的に知っていても、言えない。


 なぜか? 『社交的』『職場』という単語を知らなければ、言えないのだ。『英文法さえ知っていればOK!』などと口が裂けても言えない。では、文法知識と単語の意味を知っていれば万能か? 英語圏での会話では大変よく耳にする次の三つの文を訳してみてくれ」


 先ほどと同様に、ほうぶん先生が、手首に通した黒板消しを指先でトントンとタップすると、プロジェクターが次のような画面を投影した。


1.Give me a break. (5)

2.It’s a piece of cake. (6)

3.I’ll keep my fingers crossed for you. (7)


「おそらくどれも、フレーズ、決まり文句、定型文としてまるごと記憶した方が早い。いや、これらが決まり文句であるということのみならず、その意味を知らなければ、きっと太刀打ちできないであろう。


 文法知識はオールマイティーではない。


 また、言語学者希望ではない我々は、これらの定型文を英文法に即して分析・解釈する必要はなく、ただ『覚える』方がはるかに実践的なのでござる。 これから習得していく文法知識は、いつでも役に立つ万能ツールではない。ないがゆえに、都合の良い時だけ使えばよいのでござる。


 以上のことから、『英文法は決して完璧でも万能でもないが、必須であり、かつ今、始めるべきものである』ということを心に刻んでおいて欲しい。


(つづく)



(5)「かんべんしてくれよ。馬鹿も休み休みにしてくれ」など多くの意味がある。
(6)「そんなの、朝飯前だ。簡単だよ」 ※It’sを略して、A piece of cake. とも。
(7)「うまくいきますように。幸運を祈ってるよ」 ※Good luck. と同じ意味。



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5.今神雑話



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Lesson00-08 文法学習の意義とゴールについて(8)



1.イントロダクション


KCJ(ことだまカンパニー・ジャパン)役員の皆様、ごきげんさんでございます。 KCJ秘書室長の今神栗八です。


古都田誠社長から指示を受けて、目下、英語研修受講中の幹部候補生(Executive Trainee、略してET)たちの英語学習の内容と、彼らの取ったノートの内容(研修室天井のカメラで撮影)を、このブログサイト「今日のET」上でレポートしていきます。ただ、今回は、要約ノートの掲載はありません。


それではさっそく、今日のレポートにまいりましょう。


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2.要約ノート


Lesson00-08 文法学習の意義とゴールについて(8)

※今回は、要約ノートの掲載はありません。



3.エピソード


Lesson00-08 文法学習の意義とゴールについて(8)
講師: KCJ人事部 能力開発課課長兼文法課長 倉間過去完了法文 氏

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「三つ目は、英語学習において、英文法を学ぶ意味はあるのか、という点を確認しておきたい。


 最近、巷の英語学習法のうたい文句や、英語学習関連本の中には、英文法に関して少々極端なとらえ方をしているものがある。たとえば、文法学習は英語学習においてむしろ障害となりうるという主張。『文法など必要ない』『文法が英語習得の邪魔をする』と説いている。その反対に、文法万能主義的の論調もときどき認められる。『文法は英語習得のパスポート』『文法さえ知れば怖くない』といったものでござる。


 ちなみに各々方、本のタイトルにはせいぜい注意召されよ。本はどうしても売れてくれなければ困るわけで、書店に数ある本の表紙を流しているお客さんの目を止めさせて、手に取ってもらわなくはならない。そこでどうしても『え?』と思わせる、過激で意外なタイトルになりがちなのだ。


 その一つが、逆説的断言調のタイトル。『〇〇は今すぐやめさない!』『〇〇になりたいなら(通説とは逆の)□□をやりなさい!』という本は、少々眉に唾を塗って開かれるがよろしい。おそらくそのテーマについては専門家の間で決着がついておらぬ。主流派工作と本の商業主義の影響でどうしても少々過激になってしまうのだ。


 それを踏まえて、英文法を学習することの是非について拙者の見解を申し述べると、

 1つ、英文法は英語学習において絶対に害にはならない
 2つ、英文法の知識は初級・中級者の学習効率を高める
 3つ、英文法は万能ではまったくない

 ……ということでござる。


 英文法の正しさを気にし過ぎて、スムーズにしゃべることができない。だから余計なルールより、文章やフレーズをまるごと暗記していく方が良いという意見。拙者はこの意見の後半は賛成できる部分もある。だが、うまくしゃべることができないのは、文法知識のせいではない。気まり文句のフレーズのストックが少ないことと、口慣らしができていないせいである。
 文法知識は害ではない。


 リスニングや長文読解などで、『英語を語順で理解していく』という表現をよく聞くが、そうできるようになることが理想であることは否定しないものの、英文法の基礎理解と、ある程度の経験がなければ、語順で理解などそんなに簡単にはできないものだ。


 また、英語圏で小さい頃から育ったバイリンガルのティーンエイジャーたちを見て拙者は思うが、彼らは当然、日常の英会話はスムーズで発音も完璧であるものの、使っている語彙は年齢並みである。対して各々方は成人、しかも社会人であるのだから、彼らよりは概して、思考内容がより高度で表現も複雑かつ繊細であろうと推察する。


 言語は相手を理解し、自分を表現するツールであることを考えると、自分が考えていることを充分に英語で表現しようとすると、それなりにツールとしての英語のクオリティーが高くなければならないと拙者は思う。つまり、より複雑で繊細な内容を表現しようと思えば、英文法の学習は英語学習のプロセスにおいて、いずれ取り組まなくてはならない英語分野なのだと言える。


 どこかの段階でやらなくてはならないとすれば、最初ではなくて、もっと後の段階でやればよいのでは?と思うかも知れないが、英文法の知識は、各々方が入門、初級から中級に至る学習過程を相当助けてくれる。つまり、学習効率を向上させる上で大きく助けになるのでござる。


 音楽の世界で例えるなら、楽典を知らずとも、音楽を聴くことも演奏することも作曲することもできるが、より深く、高度で繊細な情報を理解し、楽しもうと思えば、やはり楽典を知っておいた方が良いだろう。


 英文法も同じだと心得る。ただし、英文法をマスターして、それから他のことに進む、というやり方はダメでござる。英語学習においては、いろいろな能力を同時進行で開発していかなくてはならない (4)。そして、その中に英文法があり、欠かすことはできない、ということだ。


(つづく)



(4)英文法(English Grammar)に平行して、ボキャビル(Vocabulary Building 単語などを記憶し、語彙を増やしていく作業)、表現(Communicative Expressions)、読解(Reading Comprehension)、聴解(Listening Comprehension)、などを同時学習していくのが望ましい。


4.KCJ関連リンク


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5.今神雑話




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Lesson00-07 文法学習の意義とゴールについて(7)



1.イントロダクション


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古都田誠社長から指示を受けて、目下、英語研修受講中の幹部候補生(Executive Trainee、略してET)たちの英語学習の内容と、彼らの取ったノートの内容(研修室天井のカメラで撮影)を、このブログサイト「今日のET」上でレポートしていきます。ただ、今回は要約ノートの掲載はありません。


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2.要約ノート


Lesson00-07 文法学習の意義とゴールについて(7)

※今回は、要約ノートの掲載はありません。




3.エピソード


Lesson00-07 文法学習の意義とゴールについて(7)
講師: KCJ人事部 能力開発課課長兼文法課長 倉間過去完了法文 氏

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「次だ。英語学習メソッドに関して,2つ目の問題を考えてみたい。


 いろいろな英語学習メソッドの中には,
『努力する必要などない』
『楽にマスター』
『無駄な努力をしていた』
など,そのメソッドによっていかに楽にマスターできるかということをうたい文句にしているものがある。


 拙者はあえて断言する。
 英語学習の初級から中級において,努力せず,楽に英語を習得できる方法など,ない。


 初級から中級においては,基本語彙と文法を努力して記憶する作業,口が慣れるまで暗誦しアウトプットする作業,意識を集中して英語を聴きとる作業,など,記憶力と思考力と反復と……結構な負荷がかかるのが当然だと心得ていただきたい」


 ほうぶん先生は,「結構な負荷がかかるのが当然」のところを強めに,文を言いきってから,ポーズをおいてETたちを見回した。万三郎や杏児は揃って視線を机に落とし,下唇を噛んだ。


――ふっ。


 ほうぶん先生はわずかに口角を上げた。 無理もない,彼らは英語が苦手なのだ。ユキは小さく頷いていた。納得している体(てい)だ。また,スーペリアの3人のETたちは,覚悟していたのか,別段がっかりした様子でもなかった。むしろ,調子のよいことを無責任に言われるよりは,事実をはっきり告げられてせいせいしたという風だった。彼らの士気は高い。


 ほうぶん先生は講義を続けた。
「ただし,効率よく習得していく方法と,楽しく習得していく方法はある。 例えば,英語ネイティヴではない外国人と,国際共通語としての英語でコミュニケーションを図る環境を意識する場合,日本語でいうところの,ことわざや慣用句にあたる英語表現を学習する優先度は下がる。海外ドラマを楽しみたいという目的で英語をやっているなら,学術論文を書くのに必要な英語表現は後回しで良いけれど,スラング(俗語)などの学習は優先した方が良いだろう。このように,その人の英語学習目的に応じて,効率よく学習していく方法はある。


 わがKCJでも,拙者の英文法の時間は全員共通だが,それ以外に,口語英語(会話で使われる英語を学ぶ),文語英語(アカデミック(学術系)な英語を学ぶ),ビジネス英語など,各々方をそれぞれの英語学習分野に分けて,効率的に学習していってもらう予定でござる。


 また,楽しく英語習得ができるかという問題に関しては,拙者は,できることもあると思う。例えば,もともと会話が好きなタイプの人は,英会話スクールや英会話コミュニティーに参加した方が楽しく学べるだろうし,人によってはひたすら英単語を暗記して語彙数を増やすことに満足感を覚えることもある。好きな映画を英語で何本も観るという学習法もあるし,TOEICテストを何度も受験して高得点を狙う人たちの集まりもある。


 『楽しい』と感じるかどうかは多分に個人の主観の問題なので,月並みな言い方だが,自分にあったやり方を見つけるのが良いということになろう。


 また,概して,英語は習熟度が上がるほど,学習が楽しくなると拙者は考えている。文法や単語の知識が増えていくと,当然ながら,より英語への理解が深まり,初心者の頃には分からなかった,英語特有のパターンや癖のようなものも見えてくる。『ほう,英語ではそういう言い回しになるのか』など,知的好奇心をくすぐる情報との出会いがあり,また,英語の味わいのようものもわかってくるのだ。よって,英語を楽しく学習することは可能だとは思う。


 だが,英語の入門・初心者(introductory)から中級の下(lower intermediate)くらいまでは,それほど楽しくはないと思う。英語の基本を押さえる学習をしなければならず,その基本の学習自体は地味だからでござる。


 また,当然ながら「楽しく」と「楽(らく)」は違う。「努力なしで英語が話せるようになる」,「英語は短期間で楽々マスターできる」は,拙者に言わせれば嘘くさい。文法ルールを覚えたり,基本単語を覚えたりといった負荷が必ずかかる。拙者の意見ではこれらの学習なくして英語力の向上はない。覚えなくてはならない単語は,やはり覚えなくてはならないのだ。


 繰り返すが,特に英語学習の初級から中級においては,努力せず,楽に英語を習得できる方法など,ない。


(つづく)




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Lesson00-06 文法学習の意義とゴールについて(6)



1.イントロダクション


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2.要約ノート


Lesson00-06 文法学習の意義とゴールについて(6)
要約ノート: ET三浦杏児 氏


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3.エピソード


Lesson00-06 文法学習の意義とゴールについて(6)
講師: KCJ人事部 能力開発課課長兼文法課長 倉間過去完了法文 氏

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「長くなった。理解しやすくするために、日本において日本人の実用英語の能力を客観的に測るツールとして定着している『英検』の級で言う。


 ここ第3研修室では、6人中最も低い者で、現在英検4級にギリギリ合格できるレベル、もっとも高い者で、英検3級にギリギリ合格できるレベルだと、拙者は踏んでござる。


 そんな各々方に、1年を目途に、最も進歩の遅い者で英検2級合格、速い者で、『英語が話せる』と言える、英検準1級合格を目指してもらう。

 
 もちろん、その後は、『英語をマスターした』と言える英検1級を目指してもらおうと考えている」


 ほうぶん先生はそこでゆっくり息を継ぎ、背筋を伸ばした。袴の "Ansei Purge 1958-59" の文字が微かに揺れた。


 ほうぶん先生は言った。


「KCJの未来をしょって立つ諸君らETは、英検1級合格レベルに成長して初めて、JT(ジュニア・エグゼキュティヴ)に昇進できる可能性があるのでござる」


 ETの一人、祖父谷義史が訊いた。


「つまり、このクラスでは、英検で言うなら、4級→2級、3級→準1級、という進捗を1年で実現するのが目標 (3) ですか」


 「いや、4級→準1級のように、追い越してもらって一向に構わんよ。勉強熱心な者ほど報われよう。学習時間は嘘をつかん」


 ほうぶん先生が涼やかにそう言うのを聞くと、祖父谷は言い放った。


「僕らチーム・スーペリアの3人は、全員その水準に達して見せます。4級相当の実力しかない、えーと、なんだっけかな、赤子組だっけか、そんな連中が同じクラスで学ぶのが恥ずかしくなるくらい、差をつけてやります」


「しッ……失礼な!」


 負けず嫌いのユキがキッと眉を立てて後ろの祖父谷を振り返った。


 ほうぶん先生は笑いながら「ようし、その意気だ」と言った。


(つづく)


(3)TOEICテストスコアでいうなら、現状300~350を1年で600~650、理想的には700台へ。



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5.今神雑話



初めて三浦くんのノートを採用しましたが、彼もまた、落書きのような内容の薄い粗雑なノートでした。
レッスン01からはきちんとしたノートを取って欲しいと思います。


英検(実用英語検定)と並ぶ受験者数を誇るTOEICテストはビジネス英語に特化した試験なので、今回のレポートのような、一般的な実用英語力を考える場合は、英検を指標とした方が良いと考えました。参考までに、TOEICテストスコアの対応範囲を脚注で示しました。


日本英語検定協会公式サイト内 「気軽に試して、プチ英検」では、受験級を決める目安となりますので、ご自分のおおよそのレベルを知ることができます。


「気軽に試して、プチ英検」
http://www.eiken.or.jp/eiken/exam/petit/petit/petit.html




今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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Lesson00-05 文法学習の意義とゴールについて(5)



1.イントロダクション


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古都田誠社長から指示を受けて、目下、英語研修受講中の幹部候補生(Executive Trainee、略してET)たちの英語学習の内容と、彼らの取ったノートの内容(研修室天井のカメラで撮影)を、このブログサイト「今日のET」上でレポートしていきます。今回の要約ノートは、前回に引き続き、福沢由紀氏です。前回はちょっと落書きのようなノートでしたが、今回はちゃんと書いて欲しいです。


ほうぶん先生は、オリエンテーションの最中です。どこまでの英語レベルが日本人に求められるのかを、逆に日本語を学ぶ外国人の立場から考えてみようと試みられていますね。彼らETには、英語そのものの学習ではないけれど、これから示される結論(いつまでにどのレベルを目指すか)を常に心に置いて、オリエンテーション後のレッスンを受けていって欲しいと思います。


それではさっそく、今日のレポートにまいりましょう。


【概要説明】ことだまカンパニー・プロジェクトって何? ←上の文章、何言っているのか意味が分からない。何だ、このブログ? と思われた方はこちらをご覧ください。
【概要説明】当ブログ「今日のET」構成について ←このブログはどんなつくりになっているの? と思われた方はこちらをご覧ください。



2.要約ノート


Lesson00-05 文法学習の意義とゴールについて(5)
要約ノート作成者: ET福沢由紀 氏

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■要約ノートは、必要に応じてダウンロード・印刷してご利用ください。フォーマットはJPGです。

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3.エピソード


Lesson00-05 文法学習の意義とゴールについて(5)
講師: KCJ人事部 能力開発課課長兼文法課長 倉間過去完了法文 氏

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「正解は順に、『勇往邁進』、『換骨奪胎』、3の『お話しになり』だ」


 正直に手を挙げさせると、ET6人のうち、問1と2の全問正解したETが4人、1問間違えたETが2人だった。


「日本語ネイティヴの我々でもこれらの日本語の問題は間違えた。同様に、英語ネイティヴが英語でこのレベルの問題に当たれば答えられない人もいよう。では、次の問題はいかがでござろう」


 プロジェクターに新たな問題が映し出された。



問3:下線部の漢字の正しい読みを次の1~4から1つ選びなさい。

彼は今、新薬の研究開発に挑んでいる。

1.はげんで
2.のぞんで
3.からんで
4.いどんで


問4:(   )に入れるのに最も適切な語を次の1~4から1つ選びなさい。

私の主張は単なる(    )、ではなく、確たる証拠に基づいている。

1.模索
2.思索
3.推測
4.推移




「正解は、順に、4.いどんで、3.推測、でござる」


 この2問については、6人のET全員が正解した。


 ほうぶん先生はにっこり笑ってETたちに明かした。
「なお、問1と2は、日本語検定(語研)のサンプル問題から、問3と4は、日本語能力試験N1(最上級)のサンプル問題からの出題でござる (2)」


「日本語検定? 日本語能力検定?」


 疑問を口に出して首をかしげたETの一人、四葉杏子を見て、それから他の皆を交互に見ながら、ほうぶん先生は説明した。


 「日本語検定の受験対象者は日本人を含むから、主に外国人が受験する日本語能力試験のN1よりも難しいとされる。外国人日本語学習者に求められるレベルについて言えば、問1、問2、つまり語研1級に正解できるレベルまでは必ずしも必要なかろう。日本人ですら全問正解はおぼつかないのだから。


 一方、外国人で、問3、問4、つまり、N1からの出題に正解すれば大したものと言えるのではなかろうか。日本語能力検定N1に合格できるレベルなら、日本語をマスターしたと言っても良いと拙者は思う。おそらくこのレベルの話者は、日常における日本語でのコミュニケーションに不自由を感じることはないと思われる。


 そこから類推するに、レベルと級が必ずしも対応している訳ではなかろうが、仮に、日本語能力検定の最上級N1と、実用英語検定(英検)1級が対応していると仮定すれば、


・英語ネイティヴと、あまり問題なくコミュニケーションできるレベルは、英検1級、


これが「ノン・ネイティヴが英語をマスターした」と言ってよいレベル、


 次に、


・英語ネイティヴと、ほどほどにコミュニケーションできるレベルは、英検準1級、


 これが「英語が話せる」と言ってよいレベル、


 さらに、


・英語ネイティヴと、最低限のコミュニケーションができるレベルは、英検2級、



と推測しているのでござる。


(つづく)


(2) 日本語検定(語研)ホームページ(検定問題1級より)
日本語能力試験(JLPT)ホームページ(問題例N1級より)




4.KCJ関連リンク


小説「ことだまカンパニー」 ←わがKCJとETたちをめぐるストーリーです。
小説「ことだまカンパニー」表紙

ブログ "Imagination Is Creation" ―今神栗八の英語雑感―
 ←秘書室長、今神栗八のプライベートブログです。

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5.今神雑話



今回も一応、福沢くんのノートを採用しました。前回のノートよりは少しはマシにノートを取っていました。聴講中に何か心の変化があったのでしょうか。


今回ほうぶん先生が言っておられる、「英語をマスター」「英語が話せる」「英語はなんとか」の基準については、専門家の間で異論もあるかと思われますが、KCJ内での基準ということでご理解ください。



今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
次回もおたのしみに。
それでは皆さん、ごきげんさんよう。

今神栗八@KCJ秘書室
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プロフィール

今神栗八@KCJ秘書室 Kuriya Imagami

Author:今神栗八@KCJ秘書室 Kuriya Imagami

今神栗八はハンドルネームです。英語がイマイチ好きではない方も、楽しく英語学習を継続できないものか、そう考えた私なりの試みが、「ことだまカンパニー・プロジェクト」です。このブログに設定している物語上の架空の会社「ことだまカンパニー・ジャパン」の中で、私は社長直属秘書室の室長という設定にしました。おっかなびっくりな英語力の幹部候補生たちを主人公に設定して、彼らの日々と英語学習と生活をレポートしていくというスタイルで執筆していきます。もう少し詳しい私の公開プロフィールは、こちらをご覧ください。また、「ことだまカンパニー・プロジェクト」については、「カテゴリー」の★★★概要説明★★★をご覧ください。

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